電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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洸平の過去話

Dragonic Flowerの番外編。
本編が進んでないのに番外編とか馬鹿じゃないのか?

まあいい。

追記で簡単な設定と小説。

森知洸平 14歳 男
能力「再生」
再生というより体組織の増加。結構自在に操れる
師匠の弟子


師匠 年齢不詳 男
能力不明
なんかやたらと強い。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「まったく。師匠も人使いが荒いんだから」
 そんなことは百も承知、分かってはいるのだが、いい加減雑用ばかりというのも飽きてくるものだ。
 山奥で師匠とふたりで暮らしている洸平はあきらめた表情で木々を拾いながらため息をつく。民家がぽつぽつと立ち並び、山奥の集落のような情景だが、実際にここに住んでいるのは洸平と師匠のふたりのみ。つぶれた集落はすでに集落ではなく、ただの廃墟の塊として存在する。
 そこから若干外れた道なき道をまるで自分の庭のように歩きながら、洸平は薪としても武器としても使えそうな木の枝を集めていく。

「じゃあ薪を集めて来い。暇だからな」

 という意味の分からない師匠の言葉は完全無視したかったが、武力行使に踏み切られると、めんどくさかったので素直に従った。いや従わないほうがよかったか? これで調子に乗り始めたらどうしよう。そろそろ一勝負して一回殺してやろうか・・・。
 そんなまったくもってどうでもいいことを考えていたために、初動が遅れた。
「は?」
 空から人が降って来た。
 意味が分からない意味が分からない。唐突に自分の目の前。本当に目と鼻の先。そういえるような至近距離の地面が爆音を上げ、土を撒き散らし、そして目の前には人間が一人。
 着地の衝撃を和らげるように足を限界まで曲げ、その光景だけ見るとまるでしゃがんでるように見える。
 そしてそれは同時に、これからジャンプするために足に力を溜めているようにも見え・・・
「――っ!」
 判断は一瞬。
 不吉に思えるほど邪悪な笑みをした目の前の男は、何故か洸平に向かって攻撃を繰り出す。意味が分からない。しかしそんなことは関係なかった。
 一瞬の判断は生死を分けるとは良く言ったものだ。
 後ろに倒れるように体をそらし、全力で地面を蹴り、真後ろに向かってジャンプする。
 一瞬前まで自分の頭部があった地点を、致死性の速度で男の拳が通り過ぎるのがちらっと見えた。
 反転した視界。上に見えるは地面。両手を着き、バク転の要領で回転。手を地面から突き放し、さらに後ろにむかって翔ぶ。
 足を突いて着地。自分の慣性を殺しきれず、足を地面に着いたまま3メートルほど坂がある地面を滑る。ズザザザザザザァァァ、という効果音。その間半秒にも満たなかったが、正面を向いた目が確認したのは、男の不在。
「!?」
 そして背後に感じたのは悪寒とも殺気とも恐怖ともつかない、とにかくどうしようもなく邪悪な空気。
 地面を滑るときに、しっかり足を突いていたのが災いし、瞬間的に飛びのくことは不可能なのは知れた。
 空気が揺らめく。
 分かったのは後ろに回った男の蹴りが、右から来ることだけ。さっきの攻撃からして頭部を直接狙ってくることを期待し、右手を立ててガードする。骨密度の強化と皮膚の硬質化を可能な限り最速で行う。
 そのガードの無意味なことを知ったのは、空中を滑空する自分を認識したときだった。
 中途半端などでは絶対に無い。自分の中では細則でガードを固め、完全にこれ以上無い状態で固めた右腕を、それでも男の蹴りは突破した。
 突き抜ける衝撃。右腕の折れる感覚。そして滑空する自分。
 すべてが後の祭りで、体勢を立て直す前に、3本の木を折りながら、近くの民家に突撃した。

 意識を失ったのは数瞬。
 民家の中は普通に廃墟で、人のいた形跡はあれども人のすんでいた名残は無い。
「さて」
 起き上がって周囲を確認。
「逃げるか」
 戦力差は絶大。右腕は既に修復済みだが、まともにやっても卑怯にやっても勝てない相手と戦う道理は無い。心のそこから悔しいが、師匠に何とかしてもらうしかない。
 そこまで逃げるためには、外の見えないこの民家からでなければならない。どこにいるかわからない相手は、そのまま、どこにでもいると錯覚してしまう。感情はそう訴えるが、事実は違う。男は一人。そして体も一つ。どこにでもいるはずは無い。
 右手の骨を高速で伸長。右側にある壁を全力で叩き、爆音と粉塵を巻き上げながら壁をぶち壊す。それはフェイント。
 同時に左腕の骨を伸長し、そちらにある扉を開けると、骨を肥大化。ヒトガタとまではいかないが、その程度の大きさまで膨らませ、その扉から外に転がす。
 さらに壁を叩き、粉塵を撒き散らした右手で、同様の処理を施す。
 すべてが終わるとほぼ同時に、そのままバックステップで後ろへ下がり、音も無く家の外へ。
 背後を確認し、後ろに向かって走り出す。
「ぬるいな」
 その眼前には、ほんの一瞬前まで何も存在していなかったはずなのに、当たり前のように男はいた。
 気づく間もなく蹴りが入る。なんの躊躇も無い。吹き飛ぶ。
 飛ばされたさきで聞こえてくる声は、諦めと侮蔑の色を帯びていた。
「高橋の教え子だからと来て見れば、所詮はこの程度か」

 一瞬だけ世界が凍りつく・

「・・・って! ええっ!? 師匠の知り合いだったんですか!?」
 高橋と言うのは師匠の本名。まあ偽名しか名乗らなかった師匠だが、その偽名の中でも本名として使っているものだった。
「ん、あぁ、腐れ縁だ」
「・・・」
 何かよくわからないが素晴らしい徒労感に襲われ、倒れていながらにして膝をつく。
「能力は聞いていたから、手加減はしなかったが、本当に大丈夫か?」
「・・・大丈夫です。問題は無いですよ・・・。精神的なもの以外は・・・」
「ようっっ! 乙! 久しぶりだな! ったく、相変わらず辛気臭ぇ顔しやがって。笑え笑えっ!」
「師匠・・・」


 のこのこと歩いてくる師匠に向かって全力で骨槍を飛ばすが、全く動じる様子も無く避ける師匠。それを見てまたボソボソと呟く乙。
 乙所長と初めての出会いは、最悪に部類される形で幕を開け、閉じたが、だからどうしたと言うように、師匠は延々と笑っていた。
  1. 2006/12/23(土) 11:50:03|
  2. 創作小説
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