電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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暗い30のお題 15,時計

http://cosmos.jakou.com/030/030-01.html

お題15こめ



結構間が開いてしまった。
もうちょっとスピード上げて書きたい。



15時計
15時計

  鳴り続けるは刻の刻み
  響くは時の音
  それ故時間さえも忘れて。


 チッ チッ チッ チッ
 病室に響いているのは時計の音。ただの、何の変哲も無い掛け時計の音。
 その音以外に、音は無い。
 病室にいるのは二人だけ。
 ベッドの上に一人。その脇に一人。
 寝ているのは女で、脇に座っているのは男。
 窓の外は木枯らし。
 冬が
 来た。

 彼女の病気は何の変哲も無い。ただの癌。
 それだけのこと。彼女は昔から体が弱く、癌であるなしに関わらず、病院での生活は日常茶飯事であり、病院こそが彼女の家だといっても過言で無いほど。
 小学校のときはあんなに元気だったというのに。
 それこそが強がりだったと気づいたのはいつになってからか。
 気づいてからもあきれるほど早く年月は立ち、オレは高校を卒業した。
 彼女は病院にいた。
 チッ チッ チッ チッ
 時計の音が聞こえる。
 彼女と声を交わしたのは1年前が最後。まだ1年は経っていないか。
 ちょうど卒業式の日。
 病に倒れ、病室で横たわる彼女。

 毎日見舞いに来てもいいか?

 尋ねるオレに、うれしい。と一言だけ告げて、それっきり。
 毎日。毎日。
 彼女は声を出さないが、オレは彼女に会いに行く。
 苦痛など感じたことは一度も無い。むしろ彼女といるだけで幸福なのだから、その逆はありえない。
 彼女はいつもそこにいて、優しく微笑んでいる。
 声は出さずに窓を見て、オレを見て、ふっと笑う。その自然にこぼれたような笑みが、オレを癒す。
 チッ チッ チッ チッ
 時計の音が、無音の部屋に響き渡る。
 チッ チッ チッ チッ
 彼女がしゃべらないのは、しゃべらないのではなく、しゃべれないからだと担当医から聞いた。
 喉がもう既にやられて、声が枯れ切っているらしい。
 そんな声でもいいから声が聞きたいのに、彼女は頑としてしゃべらない。
 まあそれでも、好きだから別に問題は無いが。
 チッ チッ チッ チッ
 こうしている間にも、彼女は何を考えているのだろうか。
 十数年一緒にいて、まだオレには分からない。彼女を知りたいと思うが、逆に本当のことを知りたくないとも思う。
 矛盾している気持ちは、多分真実を知る恐怖と、あとは、うしろめたさが半分。
 チッ チッ チッ チッ
 そんなとりとめのないことを考えながら、
 チッ チッ チッ チッ
 時計は廻る。



 チッ チッ チッ チッ・・・
 そしていつもの時間がやってくる。
 面会終了時間という明確な区切りの時間が。
 部屋の外からノックの音がする。
 オレは立ち、彼女に微笑みかけ、
「また明日」
 とだけ残して、部屋を出る。

 日課。そう。・・・日課だ。


          *     *     *


 今日もいつもどおりの時間に来て部屋に入ると、彼女がいなかった。
 どうしたのだろう。
 まあ、待っていようか。



 30分後、担当医が来た。
 どうやら、オレがここにいることを誰も知らなかったらしい。
 ふと立ち寄ったら、この部屋の明かりがついていたので入ってきたらしい。
 そういえばいつの間にか見舞いするときに書く用紙に書かなくなってたな。
 誰が入ってるか分からないのは危ないんじゃないか?
 と、そんな程度のことを思いながら、
「彼女は、・・・昨日あなたが帰ったあと、急な病状の悪化があって、・・・お亡くなりになられました」
 担当医の話を聞いていた。
 ・・・・・・。
 ・・・・・・。
 沈黙が部屋を満たす。
 その中で鳴るのは時計のみ。
 チッ チッ チッ チッ
 規則正しく、秒針を刻む。
 チッ チッ チッ チッ
 ・・・・・・。
「そうですか」
 オレはそれだけ言って、ベッドに向かって、パイプ椅子に腰掛けた。
 担当医は、何か言おうとしていたが、特に何も言わずに部屋を出て行った。
 チッ チッ チッ チッ
 時計の音が鳴り響く。
 チッ チッ チッ チッ・・
 チッ チッ チッ チッ・・・・
 チッ チッ チッ チッ・・・・・・

 ベッドを、凝視し続ける。
 
 時計が鳴る



          *     *     *


 日課。そう。・・・日課だ。
 今日も今日とて病院にせっせと通い、部屋にはいる。
 その病室はほかの病室とは違い、病人が一人も存在していない。
 あるのはベッド。そしてパイプ椅子
 パイプ椅子に腰掛け、ベッドを見る。
 チッ チッ チッ チッ
 誰にも邪魔されないこの部屋で、オレは・・・。

 
 ・・・・・・・・・・。


 ノックの音
 面会終了時間。

 誰とも会っていないというのに。
 それでも面会時間は終わった。
 また明日来るために今日は帰る。そう。明日来るために。


 時計が、鳴る。









----------------------------------------
最初に考えていたよりずいぶんとボリュームダウン。
しょうがないさ。時間と言うか、余裕が無かった。
時間はたっぷり合ったんだが、この後も続ける気力が無かったんで止まった。

最後の彼の、彼女はいなくなったが、それでもその現実を直視しないで逃避としての日課の繰り返しを続けていく。
というのをひょうげんしたかった。出来てるかな? 足りてない感が多大。


今回がしばらくぶりなので、小説書くスピード上げたいと思った。
  1. 2006/11/21(火) 02:54:26|
  2. 創作小説
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