電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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暗い30のお題 14.自傷

http://cosmos.jakou.com/030/030-01.html

お題14こめ。


カッターナイフで自分の手首を切るお話。
ちょっと痛いとおもうから気をつけて。



っていままでとそんな変わらないか。
では。

14自傷
14自傷

  傷つけているのは自分か
  それとも
  自分か


 カッターナイフが右手をこする。
 皮膚が結合を失い、内部に流れている血を保てなくなる。
 カッターを滑らせた後にそって、直線を描いて血の線が走る。
 二本目。
 並行に裂かれた皮膚が、再び血を流す。一回目とほぼ同量の血は、流れ出る。
「やめなよ」
 隣の席で新聞を読みながら、彼は言った。
「服、汚れるよ?」
 彼の声に一瞬は戸惑ったが、だからといってそんな小さなことに気をかけているほどまともな精神は持ってないつもりだ。
 そして三本目が走る。血が。奔る。
「別にボクは痛くないからいいけど、君は痛いんじゃないの?」
 そりゃあ、痛い。
 なにしろ、まだ治りきっていない傷跡に、再び同じ方向に同じように同じカッターを滑らせているのだから。傷を傷で隠すような行為に、痛みを和らげる要素など皆無。
 なにしろ、痛ければ痛いほど、私は私でいられるのだ。十分。
「まぁ、君がそういうんなら、ボクにできることは大してなくなっちゃうね」
 もともと、何もしなくても、私はそのうちにこの行為に溺れてこの自傷行為で死ぬことになるのだから、あなたが関わる必要なんて無い。関わったところで、どうにもならないのは決定事項。
「そうなんだよね。いくらボクが君を好きだって言っても、君は関係ないからといってフるんだよね」
 当然。
 しばらく休んでいたので、気を取り直して四本目。線と線の間隔は5ミリもないだろうか。これなら片手の手首の内側だけで十本引けるかもしれない。
 そんなことを考えているのだから、会話がおざなりになるのもしょうがないことだ。
「そういってるのがおざなりにしてない証拠だよ。まあどっちにしても、ボクは君が好きだけどね」
 別に。私は興味ない。五本目。
「じゃあこうするのはどう? ボクが君を切れば、ボクは君に関われるんじゃないの?」
 自傷は自傷だから意味がある。六本目。
 あなたに手伝った時点で意味がなくなるのならば、手伝う必要は皆無。
「はは、困ったな。こりゃあ」
 私は困らないから平気。七本目。

 血の筋は、もう既に筋と呼べるものではなく、寸分の違いなく等間隔で引かれた赤い線は、既に帯として、幅を持った帯として彼女の手を侵食する。
 体に奔る激痛は半端なものではなく、超がつくほどの絶対的な痛み。鋭く突き刺すような、そう、まるで何か刃物で切られるような痛みを、訴えてくる。この時点で脳が痛みで麻痺しているのは分かっていたが、そんなことを考える部分も麻痺してるんだろう。既にどうでもよくなってきている。
 いや、それじゃ駄目。
 痛みを痛みとして認識しなければ、自傷の意味は無。意識し、痛む心が私が私でいてくれる唯一。
 そうして十本目。とうとう手首の内側は、完全に赤で支配。流れる血は肘をつたい、滴り堕ちる。
 ぴちゃっ。ぴちゃっ。
 鳴る。
 恍惚とした表情を浮かべながら、私は客観視した自分を、主観の自分で切る。
 それのなんて苦痛なことか。どこまで最悪な行為なんだろうか。こんなことは二度としたくない。
 そう思わせる心が、中毒性を更に増す。
 切る。切る。
 縦が終わったなら今度は横だ。
 肉を巻き込み、切れ味の衰えたカッターナイフは、綺麗に切れずに直角に入った切れ目を広げながら、くちゅくちゅ音をさせながら、進む。皮膚の上を滑り進む。
 二本目。激痛が走る。だからこそ。続ける。
 痛いいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ痛いいたい痛いイタイいたいいたい痛いいたい痛いイタイいたいいたい痛いいたい痛いイタイいたいいたい
 だからこそ。意味がある。
 痛みで飛びそうな意識を無理やり引き摺り出し、まだ残す。まだだ。まだ。まだ痛みを・・・。まだ。
 そして三本目。
 さあ。肉を切り裂き皮を引きずり血が迸り金属が濡れ意識が飛び、だからこそ、そのすべてをもって私は此処にいると証明できる。

「死なないようにね」

 彼はそう言って、椅子に腰掛け、本を読み始めた。
 私は。
 私は。
 私は。
 それでも四本目の線を描きながら、
 何も言わない彼を見つめ、自分の傷を見つめ、彼を見つめ、




 彼が好きになってしまいそうだ。
                   と、思った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いい話じゃないですか?
特に男のほうが。
かっこいいよねこういうの。いいと思わない? え? いや最高だろ。
というわけで。

なんだこのオチ。
まあいいや。
なんかSSとして終わってないのは気にしないで。
オレは好きだよ。こういう展開。
それだけ。
じゃあ、また。
  1. 2006/11/10(金) 22:48:46|
  2. 創作小説
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  4. | コメント:0
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