電撃文庫と堕落生活*でんだら*

文字サイズ[中]推奨

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

暗い30のお題 3,生きている証拠

http://cosmos.jakou.com/030/030-01.html

お題3つめ。


最高に好きな感じ。
オレ的には結構いい出来だと思うんだが。。。


・3,生きている証拠

3.生きている証拠

  何故生きてるか
  なんのために誰のために
  死ぬために?

 生きていると言うことは停止していないと言うことだ。
 死体は動かないし思考しないし血も流さない。
 死体には血が流れないのだから、
 だから、

 多分私は生きているんだろう。

 右手に持ったナイフで自分自身の左手を刺す。
 「斬る」のではなく「刺す」
 刀は、当然のごとくその力を誇示しつつ肉を突き破り、左手を貫通する。
 
「あ・・・あはッ」

 響く声は一人。
 この教室に人間など一人しか存在しない。
 だから誰も止めることもなく、少女は自分の手を貫いた刀を引き抜く。

「ぅ・・・ん、あ・・アァッ、ああん」

 ずるっ、と。刃に粘着質で赤い体液を付着させて刀は少女の右手から引き摺り抜かれる。
 恍惚の表情を浮かべて少女は笑う。笑う。
 それこそが生きているものの特権のように。
 周囲に自分の血を振りまく。
 刺して引いただけなのにかなりの量の出血が出てしまった。
 しかしそれすらもかまわない。
 動くことは生きている証拠なのだ。流れ出す血液は生きている証拠なのだ。

 自分が生きているか死んでいるかもわからないほどに、私の心は磨耗している。
 だからこれはただの確認事項。儀式にも及ばない。ただの実験。
 自分が生きているというだけのことを確認するだけの意味しか持たない行為。

 それだけのことなのだから。
 たったそれだけの意味しか持たないのだから。
 例え同じクラスの人間全員が教室で死んでいたとしてもその意味はたった一つだ。
 例えそれがたった一人の少女による刺殺死体なのだとしても、
 その死はその少女にしか意味はなく、

 ただ生きている証拠がほしかっただけなのだから。

 少女はその可憐なスカートを翻し、一回転する。
 回るだけでその服についた乾燥しかけた血液はあたりに散り、
 先ほど刀が貫通した左手から出る血液は周囲に飛び散る。
 一周終わる間に全方位を見回し、その40人すべての死体を確認し、
 少女は言った。

「私はあなたたちとは違う」

 自分の存在を確定するためだけに

「死んだ人間は人じゃなくて「モノ」」

 誰も彼も殺し

「モノは血を流さない」

 その体を血に染め

「でも私は血を流す」

 その体から血を流し

「私は死んだあなたたちとは違う」

 そして狂ったココロで、呪詛のように刻まれた言葉を繰り返す。
 確かめるために。証拠を得るために。




「私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は生きている私は・・・・」



 そうして。
 生きるための証拠は再び消費される。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで、
前回と比べたら格段の速さで終了。
書き始めたら大まかな設定しか作ってなかったのにすらすらかける。
あー。やっぱこういうほうがすきだなあ。


拍手ありがとうございます。
全力で励みにさせていただいてます。

とりあえず。ではまた。

  1. 2006/10/11(水) 00:09:16|
  2. 創作小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<今日のフリー 10/10 | ホーム | 暗い30のお題 2,緋色>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://okiyama.blog19.fc2.com/tb.php/678-6e0bdcda
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。