電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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暗い30のお題 1,壊れ物

http://cosmos.jakou.com/030/030-01.html

Cosmosさんから勝手に持ってきた俺が好きなお題で30がんばろう。
1日ひとつを目標だが正直できる気がしない。
まあ。
がんばろううん。


とりあえずひとつ。

・1.壊れ物
1壊れ物

  散乱してるのはただの人形。
  其処にいるのはただの人間。
  壊れているのはどちらだろうか。

 今日も今日とて、ブリキの人形を買ってきた。
 ブリキの人形である必要はないのだが、今日はなんだか硬いほうがいいような気がしてきたのだ。
 袋に詰められた人形を中から無理やり引き出す。人形は金属光沢を見事に主張し、その硬さをしっかりと目に焼きつけさせようと必死だ。ただの人形だと言うのに。
 人形はロボットだった。
 人の形をしていないものをロボットと呼ぶのは、いささか抵抗があるが、人間型の人形は、ここらあたりでは既に所持しているものと同じものはなくなってきているため、そんな風にでもしないとだめなようだ。
 手のひらに乗るぐらい小さい、赤いロボット。
 別にだからといって何が変わるわけではない。
 まず最初にすることは挨拶だ。
 人形には生命が宿る。命が宿るのならばそれに対して礼儀を尽くすのは当然の義務だろう。ひとまず人形をいすの上におき、自分は起立し、頭を垂れる。
 言葉はない。
 儀式に言葉は要らず、ただ行動のみが支配する。
 いすの上においた人形は自重によって前のめりになる。そしてそれが挨拶の合図。
 二人の挨拶が終わったらもうすることはひとつしか残っていない。そのひとつを遂行すべく動き出す。
 右手の人差し指と親指でそのロボットの足のつけ根あたりををつまむ。

 唐突に赤が散った。

 どうやら強く掴みすぎたらしい。しょうがない。このブリキに比べて肌のなんと弱いことか。だけど、それで何かが変わるかと言われれば何も変わらないと答える。
 再度、つまみ、引きちぎる。
 肉がとがった金属の先に突き刺さる痛みと、接着面がすこしずつはがれていく過程が、なんとも言えず快感を呼ぶ。あと少しだけくっついている部分をひねりながら強引に引きちぎる。
 赤い雫が落ちたブリキの足を壁に向かって投げつける。
 ドスッ。
 と音がして、壁がへこみ、足は崩れ、床に散る。
 壁が傷つくのも投げたブリキが壊れるのも指から血が流れるのも全部まとめて儀式。
 己の指にくちづけし、その血を舐める。丁寧に。
 そして再び始まる。
 ゆっくり。ゆっくり。ゆっくりと一つ一つの動作をこなしていく、。
 四肢を引きちぎり、投げる。壁がへこむ。
 右足が終わったなら左足。ブチ。ドスッ。
投げる。
 左足が終わったなら右手。ギリ。ドスッ。
ちぎる。
 右手が終わったなら左手。ニチャッ。ドスッ。
血が固まり粘液状になる。
 左手が終わったなら首。ヌルッ。ドスッ
ぬるぬるぬるぬるすべって突起に引っかかり、また血が出る。
 首が終わったら胴体。縦に半分に。
         一番力をこめて、一番時間をかけて。
今まで引きちぎったところの引っ掛かりから無理やり裂く。
 とがった切れ目が指を裂く。
だからなんだと胴を裂く。
 両手に血管が浮き出るほどに力を込め。
ギリッ。ギリッ。とちぎれていく。裂かれていく。咲いていく。
 ミリミリミリっという擬音とともにまっぷたつに裂けた。

 そして投げる。

 壁に当たって地に堕ちて、そうして勝手に儀式は終わる。
 それでも全然足りなくて、爪は皮膚を掻き毟る。
 それでも全然足りないのに。
 それでも。



 ああ、楽しいな。と心の底から思えた。
 人間でやったらどんなに楽しいんだろうかと。思い続けた。



 壊していく。壊れていく。
 どっちだろう。どっちでもいいや。
  1. 2006/10/08(日) 22:44:16|
  2. 創作小説
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