電撃文庫と堕落生活*でんだら*

文字サイズ[中]推奨

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

壁vs再生

戦闘シーンが好きなので戦闘シーンだけ書いてみた。


設定。

森知洸平(もりちこうへい)
乙探偵事務所所属。
第四種能力 再生
武器・黒杖(長さ2m、直径数センチの鉄パイプのようなもの)
   材質はコートチス純合金 <設定上壊れない>
  (再生能力の付加された金属。強度は最強、傷ついても事故修復)



東条木雨(とうじょうきさめ)
第三研究所職員。
第三種能力 水(操作)
武器・特になし
服装・白衣


場所 第三研究所ラボ室内
広さ テニスコートぐらい
詳細 等間隔で円筒状の水槽が設置されている。
   間隔は広く、水槽も細い。水槽には水が満たされている。



黒杖は頻繁に出てくるので注意。(こくじょう と読む)
イメージ的には、物干し竿のほそい奴。2m。硬くて壊れない。

基本的に、敬語使ってるのが洸平ということで。



では追記で本編。

感想を激的に希望してます。





「壁vs再生」


「要するに戦うしかないってことですね」
「まあそうなるか」
 二人はお互い見合う。
 暗く、照明は病人の咳のように細かい明滅を繰り返している。
 あたりに広がるは円柱状の水槽。中に満たされた液体は怪しく緑色に光っている。
 しかしその場の二人はそんなことは気にしてなどいない。
 白髪、長身の男は黒杖を手にし、微笑を浮かべている。
対する白衣の青年は、何も持たない。
 ここで有利不利などが武器の有無で左右されるわけでもなく、二人ともただ最善の一手を尽くさんがために布石を打っているに過ぎない。
「じゃあここらで最終勧告とやらをしてみましょうか? とりあえず無条件降伏の後に死んでくれるととても助かるので首掻っ切って死んでくれませんかね?」
「断る」
 即座に戦闘開始。
 先に動いたのは洸平。
 一歩。たった一歩は爆発となり全速力への加速となる。瞬時に最高速度まで到達した体は一瞬にして木雨の懐にもぐりこむ。
 当然の如く、木雨は反応。
 空気中の水分を凝縮、液化。木雨の操作を受けた水は塊となり壁となり、木雨と洸平の間に立ちふさがる。
 洸平の切り替えし。
 ダンッ! という衝撃音が響く。再び地面をえぐる一歩で洸平は方向転換。壁の出来ていない横に周り黒杖の一撃。その速度は、音を切り裂き風を生む。
 風鳴り。ガキッという金属音。
 殴りつけたはずの手ごたえは金属。殴りつけた物体の本質は水。
 空間固定によって硬度が極限まで上げられた水は、既に流体としてではなく固体として、ただ木雨の思うままに。
 洸平の判断は速い。
 先ほどの駆け出し、方向転換、に続き三度目の一歩は退却の一歩。
 バックステップは風のように。再び離れて二人は対峙する。
 始まってから今まで数秒。いや、果たして1秒あるかどうか。常人から見れば洸平が前に出て戻ってきたとしかわからない。もしかしたら前に出て行ったことすら視認不可能な高速の攻撃。
 それだけのレベルで戦いつつも、必然、二人に驕りはなく、至然、残るものは生への渇望か、それとも死への恐怖か。
 そして戦いは終わらない。
 二度目の邂逅は長く永く。
 再びの一歩。しかし今度の一歩は違う。細かいリズムを刻み、高速の脚の動きで左右へブレる。
 フェイントという言葉が木雨の頭を一瞬で駆け、即座に攻撃に移る。
 脳から出る意識。飛ばす意識。神経をつなぎ、感覚をはさみ、筋肉はそのまま念動力へ。自分の周囲の水は既に自分。
 自らを変形変体変成。水を蛇の形に変化させる。いくつもの大蛇。コブラほどもある大きさの水の蛇はうねりながらくねりながら、その体によって洸平の進行方向をさえぎるように、緩やかな曲線を描きながらすばやく迅速に獲物へと収束する。
 十数本。
 時間差はそのまま圧迫感となって洸平に襲い掛かり、十数本という量は攻撃の質との乗算によってさらに強力な攻撃へと昇華する。
 逃げ切れるはずもない。後方も含め全方位から迫りくる無数の水の大蛇。
 洸平は、
「行きますよ・・・」
 一言。
 置いた後は一瞬。
 
破。

 ・・・乾いた音。そして一瞬後に洸平はその場に立っていて、大蛇は消え去り周囲に 残るのはその残滓としての水飛沫のみ。
「ちっ」
 舌打ちは一部始終を見ていた木雨の口から漏れた。木雨が見たものは筆舌に尽くし難き異様な光景。
 洸平は、全ての水の蛇を叩き壊した。超高速の連打は人間の可聴閾値を明らかに越え、破砕音は全てつながり一つの音に聞こえる。
 制御の指針である先端が全て破壊されたその事実と、それに対する木雨の動揺が大蛇の制御を一瞬手放すことになった。そしてそれは明らかな隙。
 驚愕の目を開いてる木雨向かって洸平は飛翔。地面のみならず水槽、3メートルの高さの天井を跳ね回り、木雨が気付いたときには視界から消えて、その瞬間に木雨が背後から感じるのは殺気。
 反応できたのは僥倖だろう。再び水壁を展開。しかし反応の遅れたその壁は本来の強度を持たず、突かれた黒杖の進入を許してしまった。
 もう一重の展開。さらに内側に作られた水膜。壁のようにはじくのではなく衝撃を吸収させる。
 刹那の間が空間を満たし、その僅かな時間は更なる防護壁の構成を可能にした。幾重にもわたる水の膜を構成させ、なんとか黒杖の侵入を食い止める。体表面寸前で停止した黒杖を、今度は逆に水で巻き取り、取り込もうと操作する。
必殺の一撃を止められた洸平はしかし、その顔には動揺も焦りも見られない。何の未練も無いかのように、黒杖を手放す。
 抵抗がなくなって、完全に木雨の水に巻き込まれた黒杖。その感覚を水で感じ取った木雨。
 しかし既に洸平は移動済み。
 背後。
 右の蹴り、ただそれだけで頭を吹き飛ばす猛攻。水による防御を行うが、洸平はとまらない。
 空中で止められた蹴り足を軸足にして、空中に自らの体を持ち上げ、左の一撃。再び止められるがそれでも攻撃はとまらない。
 地面に両手でつき反転。逆立ちのまま牽制のけりを放ち着地。
 始まった。
 高速の連打。左右前後上下奥前全ての空間を使いこなし体を使いこなし四肢による連打を放つ。
 蹴り、殴り、蹴り蹴り、殴り、回り、蹴り、蹴り、殴り殴り殴り殴り、
 木雨はあらゆる角度から迫る攻撃に全面水防護壁で防御しようとするが耐久力が足りない。一発一発が重く、体に響き、脳に響き、水が震える。
 操作を前面に集中したその、背後で水で保持していた黒杖が落下するが、そんなことにかまっている暇はない。
 猛攻に押され、体がだんだん後ろに下がってくる。背後確認などしなくても、後ろに水槽があるのはここの研究員としてわかっていないはずはない。
 力は既に打撃へと変化し木雨を襲う。精一杯の抵抗として水分で体を捕らえようとするが、それすらもその速度には追いつかない。
 ガッ、と足に何かがぶつかって、転がる。
 先ほど取り落とした黒杖だったが、一瞬でも目がいったのが間違い。
 その大きすぎる隙を見逃す洸平ではない。
 水の隙間を縫い右手を突き出す。殺傷性を十分持った右手は正確に喉にポイントされ、高速で迫り行く。
 反応は既に反射の域だった。
 即座の対応で木雨は洸平の抜き手をかわすことに成功。だがかわしきれず首筋に一閃の血の跡がにじんだ。
 そして、
 命の危険は木雨のスイッチを入れ替えるきっかけとして十分だった。
 木雨は大きくバックステップ。跳躍し、水槽の上に立つ。
 追いかけようとする洸平の前に一面に立ちはだかる水の壁。破壊しようとするが、人一人が通れるほどの穴を開けるには、黒杖が必要で、その黒杖は壁のむこうだ。
 一瞬の静寂、そして、
「今から君を殺す」
 声が響く。全く感情の抑揚がない声。ただ、音を伝えるということのみの声。
 対する洸平も同じようなもの。
「いいですよ。僕も貴方を殺しますから」
 二人は一言交わしただけで十分だった。
 もともと戦闘に言葉など不要なのだから。
 そう。戦場で必要なのは生きる意志と、戦うための力。
 再び刹那の静寂。
 直後、木雨は動いた。それは体を動かすのと同じこと。体の延長上のものを操作すると、そういうこと。ただそれだけの違いなのだから伝達速度にたいした差はない。
 自然、思うときが発動のとき。

  爆音。

 水は水蒸気に変わる時、爆発的に体積が増す。すなわち、爆発。
 この部屋にある全ての水槽の水は既に木雨の体の一部となり意思に従う。
 つまり、爆破は部屋全体に及ぶ。
 木雨に操作された水蒸気は、指向性の爆破となって洸平に襲い掛かった。速度は超音速。威力は十分。さらに、当然洸平の背後にも水槽はある。
 全包囲攻撃。先ほどの水蛇の攻撃とは比べようもない威力と速度。
 洸平は反応すら出来ずになすすべもなく周囲からの圧力と暴風によって吹き飛ばされ押しつぶされ破壊される。内臓の圧迫、肉片が千切れ飛び、脳漿が吹き飛び、圧縮された体は骨の悲鳴をあげ、壮絶な圧力差に眼球は潰れ、体の各所から血が吹き出た。
 ・・・そして数瞬後。
 爆破が収まった頃に残っていたのは、ボロボロになった、洸平「だった」ものだ。
 だが、洸平の「再生」の能力は伊達ではない。
 一番大きな体組織、つまりは体の部分を起点とし、再生が始まる。
 高速度の再生。全身から新しい組織が生まれ出で、骨となり肉となり皮膚となりそして体となって、ひとつの洸平という個体を再生する。
 肉をひねりつぶしたような濡れた、そして耳にのこるいやな音を残して再生され、水っぽい湿った肉塊をこねくりまわすような過程を木雨に見せつけ、最後に「ふぅ」という声で、洸平の体は元に戻った。
 その間、5秒。
 再生の起動始点は破壊と同時のため、破壊されながらも再生されている。よって破壊は最小限。そして高速の再生能力。
 完全に再生しきった洸平。
「ふぅ。全くたいしたものですね。これだけの水量を一気に操作するとは、正直そこまでとは思ってませんでした」
「そうか」
 なめた口ぶりに全く反応せず、表情すら微動だにさせず、木雨は立つ。
 洸平がおちている黒杖を拾う。
 木雨は無言。その程度では無意味であることを証明するかのように無言で立つ。
 洸平が黒杖を、構える。自然体。すぅ・・・と、洸平の体が流れ、
 動く。
 三度目の始動。一歩は距離となり時間となり木雨に近づく。
 木雨はあわてるはずもない。そして思う。<従え水よ>と。
 この部屋全ての水が木雨の操作圏内。大質量は当然反応速度は遅くならざるをえない。だがそれすら超えた能力が木雨の力であり、攻撃の手段である。
 周囲に作り出したのはそれぞれスイカ大の水の塊。前方から迫るのは洸平。
 一斉射撃。各水球から飛び出したのは水槍。圧縮された高硬度の槍は音速で洸平に向かう。
 ガ
 で始まる連打の音。
 だが洸平の動きで全ての攻撃は回避され、命中したのは床や壁やまだかけらとして残っていた水槽のみ。しかしそれすらも想定の範囲内。
 水が操作可能と言うことは、弾丸のように射出したままで戻ってこない必要性はどこにもない。
 それはつまり。一度放った水槍は逆向きの先端角を持って再び洸平の背後から飛来させることができるということ。
 一斉に力を受けて動き出す水。瞬間の加速は先端部分を摩擦熱で蒸発させつつもその速度を保ちながら洸平に突き刺さる。
 想定外が一つだけ。
 洸平に背後からの物理攻撃は実質的意味を持たないと言うこと。体をつらぬこうが、腕を落とそうが、洸平の速度が落ちることは無い。
「ちっ!」
 思わず舌打ちが漏れるのはしょうがないことだろう。
 傷も水も体のことなど全く気にせず、笑顔で笑顔で洸平は黒杖の連撃を放つ。
 防御壁の展開、遅い。作るそばから破壊されていく。
 1枚。2枚、3枚、4枚5枚6789・・・・いくら張ってもそれを通り超えて一撃が抜ける。
 勝てないと判断したのか、木雨は強硬手段に出た。
 洸平の攻撃を防いでいた防御水壁を爆破させ、さらに自分の靴の裏でも同時に爆破。 ひとつの加速にもうひとつ加速を重ね、脚力だけでは実現しなかった移動速度で洸平から離脱する。
 防御水壁の爆破は洸平への牽制も兼ね、いくら洸平の体が異常なまでの再生能力を見せようとも、その圧力で、一瞬では届かないことも見越した判断。

  そしてそれすらも洸平は超えた。

 爆破の威力は確かなものだった。それは、洸平の体を見れば明らかだ。
 いたるところに傷をつけ、肉が吹き飛び、骨を露出させ、血を撒き散らし、それでも即座に始まる再生がその傷を傷として存在することを許さず、一つ残らず蛆虫のようにうねりながらリアルタイムで肉が盛り上がっていく。
 人間ではない。と木雨は思った。
 既に自分が人間としての範疇から外れていることも棚に上げてしまうほどに、その光景は人間場離れしていた。
「があああああああああああぁぁぁぁ!!!」
 爆発を重ねる。
 体の芯から恐怖がせりあがった。人外を目前にし心が悲鳴を上げる。そのゾンビのような光景に体が凍りかける。その体を叱咤させ、脳を無理やり活性化させ、洸平の間で、自分の足の裏で、限界の反復速度で爆発を繰り返す。
 恐怖は止まらない。止まらなかった。
 何度爆発させようとも、何度壁をだそうとも、何度距離をとろうとも、
 全て完全に耐え切られ。全て完全に破壊され。全て完全に詰められる。
 赤い紅い灼い血と肉と染まった骨と、口と心とその残虐な目と。
 全てが完全に完璧に敗北を決定づける。
 この無益な戦いに決着をつけようと迫り来る。
「ああああああぁぁぁぁぁぁああああああぁぁあ!!」
「ふふ、大丈夫ですか?」
 唐突に発された洸平の声は、その声とその言葉は、この場にはふさわしくないほど軽く、これ以上ないほど何も持たないただの言葉。しかしその顔は、その目は口は、楽しそうに楽しそうに残虐に残酷にそれこそ、

  悪魔のように

 とすっ。
 というなんとも気の抜けた音とともに、木雨の心臓に黒杖が突き刺さっていた。
「では・・・」
 悪魔の声で言い、洸平は黒杖を抜く。
 思考しろ思考しろ大丈夫だ。大丈夫だ。血が出る前に抑えろ。水をかき集めろ。固めて、傷口に、集めてふさいで応急処置だ。一瞬で、素早く。さあ。水を持っていって。大丈夫、大丈夫。大丈夫今ならまだ間にあ
「また」
 洸平の皮肉とも取れる言葉とともに横一線に薙がれた黒杖は、刃のような鋭さを持って木雨の頭部を上下2つに分けた。



テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/03/08(水) 01:31:41|
  2. 創作小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<BlogPet | ホーム | お、なんかテンションが戻ってきたぞ!>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://okiyama.blog19.fc2.com/tb.php/312-48c62b12
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。