電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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螺旋怪談

螺旋怪談というので適当に書いてみた。

プロットも何もなし。イメージだけで適当。

しかも適度に短すぎたりするので注意するように。

では。。。・・・あと、無駄にテンション高いのはデフォルトですから気にしないでください。

 

オチがわかりやすいので、がんばって無視しながら読んでください。


『東校舎三階の螺旋階段には黒く暗い・・・(榊原高校にまつわる7つの怪談第5章)』

 

「ん、別にいいよ」

うおっっっっっっっしゃあああああああぁぁぁぁ!!

内心の叫びは胸のうちにしまっておこう。せっかく取り付けた約束が意味なくなっちまう。

まあとりあえず一歩前進。

「じゃ、じゃあ早速行こうか?」

「そうだね」

なんて幸せなんだろう天にも昇る気持ちというものをはじめて味わったというのかこれは?

あの学年一の美少女と名高い西園寺さんと一緒に弁当を食べられるなんて至福の極み! しかもほとんど誰もいない屋上をチョイスし、 あやうく引かれるところだと思いきや快く了承し、しかも自分からその場所まで指定してくるとはこれはいよいよ俺に気があると考えるべきだろっ。

・・・・・・いやいかんいかん。ちょっと自意識過剰気味になっていたな。まあそこはしょうがない。 だって意中の人と二人っきりでお弁当だなんてロマンティックにもほどがある!!

しかもしかもその指定した屋上というのがかの有名な螺旋屋上!!

コの字になった校舎の東側に位置する屋上は、周りよりも一段高く、しかも気持ちいい風が吹くとあっては、 この熱い夏に最高の弁当スポットなのだ。

まったくもって最高のシチュエーションではないですかっ!!

二人して歩き出したのだが、これではまるで俺たちが付き合ってるように見えなくもない状況で、俺としては最高に結構なんだが、 西園寺さんにとってみてはどうなんだろうか? まさかそんな風に見られてもいいとか思ってたりなんかしたりしちゃったり!? ああやばい。 妄想が膨らんで膨らんでしょうがない。

並んで歩いているだけで隣にいる彼女を意識してやまないのは思春期特有の病気と考えてもよろしいですかマイマザー。

そんなテンションで東校舎に到着。既に螺旋怪談に一歩足を踏み出した。

「ねえ、内藤君。この学校の七不思議って知ってる?」

ん? どうしたんだろうか突然そんな話を振ってくるとは、と思いきも、 そりゃあ相手が西園寺さんだったならもうどんな会話でもしたもん勝ちですぜ。まあよくわからんがとりあえず聞いておこう。

「知らないけど・・・、七不思議ってなんか音楽室のバッハの顔が笑ったり、保健室の人体模型が動いたりとかあーいうの?」

疑問を疑問で返すという手法を用いて相手の会話を促すという高等技術・・・と言っといて実は普通のどうでもいい会話。

「うん。そう」

なんだか西園寺さんは明るく楽しそうに笑った。こんな笑顔を見れたのは初めてで、そりゃあかわいく笑ってたんだ。

そんな彼女のかわいさとの対比のように、この階段はさびついていた。一歩進むごとに、金属で出来た階段はキィキィ鳴き声をあげ、 二人分の音は合わさって奇怪な協奏曲を奏でる。

「本当は7つじゃなくて5つしかないんだけどね」

「え? そうなの?」

「うん。そう」

西園寺さんは俺より少し前を歩いている。 階段を昇るたびにスカートの中からちらちらと見えそうで見えないものをしっかり見ようとも思いながら理性を働かせて下を向いて階段を上る。

「一つ目、食堂のメニューの数を数えてはいけない」

「え、そんな微妙な・・・、というか今そんなこと言われたら気になって気になって仕方がないじゃないですかっ!」

「二つ目、夜、渡り廊下の窓を見てはいけない」

「む、無視ッ!? まあ別にいいですけどねっこんなことじゃめげませんよ!」

「三つ目、2-Cと2-Eのあいだの壁に何が入っているか調べてはいけない」

「ちょ、何でそんな具体的に・・・。て、それってもう何か埋まってるって言うこと!? やだよそんな死体とかそんな雰囲気バリバリですよ! ?」

「四つ目、廊下のどこかの天井にあるしみを探してはいけない」

「・・・もういいですよ。いいですから。ツッコミはもうしませんから。で、最後は何ですか?」

「五つ目、」

そこで彼女は一拍置き、雰囲気たっぷりにこう言ったのだ。

背筋が寒くなるような笑顔でこちらに振り向き、

「螺旋階段をのぼってはいけない――」

「――ッ!!」

気付いたときにはもう遅かった。いや、最初から、彼女に話しかけたときからもう遅かったのかもしれない。こっちを向いた西園寺さんは、 そのきれいな笑顔で、・・・・・・。

「やだよぉ、冗談だってば」

明るく、朗らかに。それはもうこれ以上はないというほどの笑顔で、残酷に笑っていた。

「うふふふふふふふふふふ」

狂っていた。何もかも。彼女の顔は人間ではないかのような造られた笑いを作り、そのうつろな目には怪しい光が宿っていた。

一瞬のうちに非日常、異次元の世界に隔離されてしまったようだった、。心も体も、彼女も自分も、全て。

――だから俺は走った。

恐怖から逃げるという動物の本能的意識で、何も考えずに走った。

当然のように、階下に向かって。全力で。

走った。

・・・一歩で、止まった。

下を見下ろすと、ちょうど360度分螺旋を描いた所に立っていたのは間違いなくさっきまで見ていた彼女、西園寺美鈴その人で、 笑顔も何もかもそのままで、ただ、下を見下ろして笑っている。

下・・・を?

俺は上を見上げる。スカートの中身など隠しもせず、立っている西園寺さんはこっちを見ている。こっちを見ている。そうだこっちを、 下を見て、いる。

 

廻る廻る螺旋は廻る。一時も同じ場所にとどまらず。それでも同じ所をぐるぐると。渦を巻き。

 

「きゃははっははははははははは」

再び振り返り、下を見たときには笑い声だけ残して、彼女は消えて、上を見ても当然彼女は消えていて、

残ったのは二人分の弁当と、俺。

 

彼女は俺が生きているあいだには二度と会うことはなかった。

 

『生きているあいだには』

  1. 2006/02/12(日) 15:49:00|
  2. 創作小説
  3. | トラックバック:0
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