電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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【くるこい】プロローグ

  プロローグ

 その交通事故は、到底交通事故ではなかった。
 空から降ってきた女をよけられる自動車がどこにあるだろうか。
 地面につく前に、その車は女を撥ね飛ばした。


 女は名の知れた富豪だった。
 美人で言葉遣いも作法も行き届き、非の打ち所の無い人間だった。
 問題があるとすれば夫と二人きりになると、虐待を受けることぐらいだろうか。
 夫は狡猾で、ドレスを着ても露出しない部分にのみ、虐待を加えた。
 胸。脇腹。ふくらはぎの後ろ側。そして性器。
 ことあるごとに彼女を苛め抜いた。
 しかし彼女は誰にもそのことを漏らさず、外見はお嬢様を振舞った。
 唯一、娘を除いて。


 娘は、母親を亡くした。
 自殺だったが、それは父による殺人に等しい行為だと認識していた。
 だから、父を壊した。
 周囲の人間は父が壊れていくさまを見て、ただ気が狂ったとしか思わなかった。
 狂わされていたのにもかかわらず。


 娘は、父を殺した。
 殺すつもりは無かったが死んでしまった。
 もっと苛め抜いてから殺すつもりだった。遺産は自分のものになった。
 では、自分の中の憎しみはどこに行った?
 どこにも行かず残っていた。
 次は誰? ママを殺したのは誰?
 交通事故として処理されたその自殺は、交通事故であるが故、加害者が存在した。

  1. 1990/01/04(木) 02:00:00|
  2. 創作小説
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