電撃文庫と堕落生活*でんだら*

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【くるこい】第10話 帰り道

  第10章
 5時間目は丸々先輩の話を聞くことに費やされた。
 会華に昔話を聞いたらしく、俺のトラウマ話から、初恋の話まで、その内容は多岐に渡っていたがどんな内容でも先輩にかかれば俺をからかうネタらしく、一時間を丸々費やしてもまだ言い足りないらしかった。
 しかしながら俺も流石にこれ以上は精神衛生上良くない。もうそろそろ心が折れてきそうだ。
「そこで鉱が会華に向かって『お嫁さんになりたい』だの言ったと聞いて私はぴんときたんだよ。もうこの時点で鉱の運命は決まってたんだとね。だから――」
 終業のチャイムが鳴った。
「ほら先輩!! チャイムなりました授業終わりましたから俺は帰りますね。じゃあさよな……」
「待ちたまえ。まだ休み時間は後10分ある。この休み時間を有効に活用しないては無いと思うのだよ私は」
 先輩の目がキラキラ輝いている。あの目は危なすぎる。最悪の場合、このまま延長戦に突入して6時間目もつぶされた挙句、茶道部に連れ込まれて今日一日を使い果たしてしまうかもしれない。そんなはずはないと、冷静な自分は言ってるけれど、それでも先輩ならやりかねないと思わせてしまうところが先輩の怖いところだ。
「もう無理です!! 時間はあっても俺の精神力が持ちません! 離してください!」
「いやいやこんな楽しいネタは久しぶりなので私も興奮してるのだよ。本当ならば卒業までじっくり時間をかけていたぶってあげようかとも思っていたのだが、やはりネタは鮮度が命と言うことに気づいてね」
「そんなどうでもいいことに気づかなくてもいいです!! 離してください!!」
 先輩の目がうるうるしてすがるように腕に抱きついてきた。
「君も……私から逃げると言うのか……?」
「そんな感動物語に仕立て上げても無駄です。なんで俺が好き好んで自分をいたぶる人のところでじっとしてなきゃいけないんですか?」
 俺がそう言うと、先輩はあきらめた顔をして、潤んでいた瞳を普通に戻して、
「それは鉱がマゾヒストだからだ」
「先輩はどうしようもないサディストですね」
 そんな言葉を交わして、数秒見つめあったあと、先輩があきらめて手を離してくれた。
「あーあ、今日はあの二人に取られないで鉱をひとりじめ出来ると思ったのに」
「だったらもうちょっとやさしくしてくださいよ」
「そしたら私じゃないみたいじゃないか」
 さもそれが当然のように先輩が言うもんだから、そう思ってしまうところが怖いところだ。
「まぁ確かにそうですけどね。とにかく行きますよ」
「おう、行ってこい行って来い。ちなみに今日も茶道部あるのでよろしく」
「はいはい」
 振り返らずに手だけ振って答えておく。
 とりあえず教室に戻ったら、会華を問い詰めなくては。

   ■

 5時間目と6時間目の休み時間などあってないようなもので、教室に戻ったらそのまま授業が始まるぐらいの時間だった。
 出席を取った教師は、俺がいることを確認するだけして終わり。そんな一人ぐらいがいなくなったところで授業の進行になんら支障はきたさないので、注意する時間をとるほどおろかな教師はいない。
 この授業中に会華にいろいろ聞いておこうと思っていた。授業がうるさくなったところで、自慢の念仏を唱える教師は特に気にせずに念仏を唱え続ける。古典の授業なんてそんなもんだろう。
 というわけで、俺は特に何も考えずに席に座って授業が始まったんだが……。
 肝心の会華がいないんじゃ話にならない。
 もうそしたらやることが無いなぁと、視線をさまよわせてみたら、すごく寝起きの逢坂と目が合った。笑顔で手を振る逢坂に、笑顔で手を振って返してやる。何が起きたか、今日の逢坂は寝不足らしく、ずっと寝ているらしい。俺がこの教室を出るにあたって、寝てるのは確認したし、あいつのことだから俺がいないとわかれば、校内中を走り回って俺を探すに決まってるので、そんな報告が無い以上昼休みから今までずっと寝ていたのだろう。まぁ丸一日寝てる奴もいるのでそこまで長い間寝てたわけじゃないんだろうけど。
 つか、なんでだったら俺が帰ってきたとたんに起きるんだ? なんていうか偶然って怖いと思う。
 一通り思考してから、視線を前に戻す。
 何故か開いている机。
 さっき教師が出席を取るときに、言ってた雰囲気だと、5時間目もサボってたらしい。
「これは、本格的に怪しいな」
 口の中でもごもご独り言。
 とりあえず会華がいないとなったら春名に直接聞くしかないな。
 そう決めて、気力回復もかねて残りの授業時間を寝るために机に突っ伏した。

   ■

 人間というのは不思議な生き物で、何故か授業が終わる雰囲気というのを察知できる能力を持っているらしい。今日も、目が覚めたら教師がチョークを置いて話しを終わらす数秒前だった。
 有用性があるようでまったく無い能力だよな。と寝起きの頭でどうでもいい事を考えつつ、授業終了のチャイムとともに頭を動かせるように、目を覚ましておく。
 黒板には、元日本語がずらりと書き並べてあるが、その意味を理解するのは学者や研究者だけで十分だと、ナスカの地上絵と同じイメージで頭の中に記録しておく。要するに、そのへんの石ころとおなじだということだが。
 無駄思考をしてるうちにだんだん頭がさえてきた。目の前の席は空席。逢坂の視線は相変わらずで、ほかの生徒は寝てたりしっかりノート書いてたり。
「じゃあ今日のところはテストで出るので覚えておくように」
 どうでもいいよ。
「じゃあ号令はいいからここまで。復習をしっかりしておけよ」
 言って、古典の教師は退場する。なびくバーコードハゲは生徒間ではスルー推奨のお達しが出てるので特に気にせず席を立つ。
「こーくんどこいくの?」
「トイレ」
「じゃあ私も行く」
 臆面も無く即答する逢坂。それはちょっと困るんだが。
「だーめだ。というかお前男子トイレにまで入ってくる気か?」
「こーくんが行くならどこへでも」
「ここでおとなしくしてろ」
 頭を撫でて、椅子に座らせる。
「ぶー」
「口膨らませても駄目。すぐ帰ってくるから」
 会話だけ聞くと、この教室が家みたいなように聞こえるな。
 益体も無いことを考えながら、春名の教室に向かって歩いていく。
 5時間目の休み時間なのでそんなに人がいるわけでもない。足取りは軽く、しかし春名の事を考えて多少重くなる。
 ……教室は家、か。
 確かに教室が家ってのはうなづけるところがあるかな。一日のうちで、一番長くいる場所だもんなぁ。
「そうだねぇ。でも寝てる時間のほうが長いからやっぱり家にいるほうが長いんじゃないかい?」
「…………委員長何してるの?」
 考え事をしていて気づかなかったがいつの間にか横に委員長が並んで歩いていた。
「でもやっぱり寝てる時間は意識が無いから、意識があるときに長くいるのは教室だねぇ。でもでもじゃあ授業中いつも寝ている会華ちゃんとかはどうなるんでしょうか隊長!?」
「お前はまず人の話を聞け。あと俺の思考を盗み聞きするな」
 あきれた声で言ってやる。大体なんで考えてたことがばれてるんだよ
「聞けって言ったり聞くなって言ったりまったく忙しい男だ。そんなんじゃ男の子にモテないぞ!」
「ゲイ!? 俺はゲイ設定なのか!?」
 駄目だ。来栖と話してると論点がずれるどころの話じゃなくて、会話が成立しない。まったくもって厄介な奴だ。
「でも、高坂はぶつぶつ喋りながら歩く癖を直したほうがいいよ」
「それは今だけだろ。癖じゃねぇよ」
 口に出ちゃってたのか。少し恥ずかしいわ。
「癖だから気づいてないだけかもよ? まあどうせあたしには関係ないけどねー」
「無責任なやつめ」
「じゃあ責任とってよ」
「意味がわからん」
「ふふふ」
 ホントによくわからない奴だ。
 それよりも聞くことがあったんじゃなかったっけ? ああ、そうだ。
「というか何でついてきたの?」
「トイレに行くんでしょ? あたしも連れてってよ」
「お前もかよ。話し聞いてたんならついて来るなよ」
「だって、春名のところ行くんでしょ?」
 鋭いな。
「……まぁそうなるな」
「逢坂さんに嘘つく必要なんてないのに」
「だってそう言ったらあいつ絶対ついてくるだろ」
「それでいいじゃん」
「それでいいって、お前……」
「まぁ女の子には女の子にしかわからないことがあるってことっさ。さぁさぁあちゃっちゃとはるにゃんを元気付けてあげてくださいな」
 来栖は、立ち止まってた俺の背中をぐいぐい押してくる。
「いや待てよ。お前昨日一緒にいたんだろ?」
 ぐいぐい。もうそろそろ1年の教室のところに来ている。
 ここまで来ると、違う学年ってだけでなんだか疎外感があって変な感じだ。春名も俺のとこにくるときはいつもこんな感じだったんだろうか。
「まぁ一緒に寝てたんだけどねー。いろいろお話しもしたよー。はるにゃんのはずかしー話とか聞きたい?」
「そんなことより、いつからあいつがあんなになってるかが気になるんだよ。生理かとも思ったんだけど……」
「うわっ、そんなことよりで流したよ。この純粋すぎる青年め」
 とうとう春名の教室に着いた。ドアをガラガラっと来栖が勢いよくあけた。
「というか、あれは生理って感じじゃないなー。それについては直接聞いたほうがいいかも、はるにゃーん!!」
 教室の入り口で春名に向かって大きく手を振る来栖。
 その声に驚いたのか、春名は一瞬身体を震わせ、呼んだのが俺と来栖だって事に気づいたのか、ゆっくり近づいてきた。
 近づいてくる春名を視界に入れつつ、来栖が話しかけてくる。
「はるにゃんにね、昨日の夜に誰かから電話がかかってきたんだよ。んで、そのまま1時間ぐらいずっと話し込んで、あ、はるにゃん昨日ぶりー」
「こんにちわ、先輩」
 やはり、春名の空気が暗いのは思いすごしじゃなかったか。委員長に話しかける声も心なしか震えている。
「でさー、はるにゃん。昨日のよるずっと電話してたじゃん」
「え?」
「ほらー、とぼけても無駄だぞっ、昨日あたしがはるにゃんの部屋でマンガ読んでるとき、ずーっと1時間ぐらい電話してたじゃん。その電話の後からだと思うんだよねー。はるにゃんだんだん元気なくなってきて、盛り上げようとしても全然駄目でさー。二人だけだったから気まずかったんだぞ」
 春名は委員長の声を聞いてるのか聞いてないのか、若干うつむき気味で、元気なくたっている。委員長と並ぶと、今日の春名の元気のなさがよりいっそう目だって見える。
「そんなわけでさーはるにゃん。高坂が――、ああ、はるにゃんの前ではおにいちゃんだったけ?」
「呼称については俺に振られても困るし。そもそもどっちでもいいよ」
「じゃぁ普通のほうが言いやすいし高坂でいっか。高坂がさ、はるにゃんのこと心配してたからつれて来てあげたってわけなんさ」
「どっちかって言うとお前がついてきたんだろ」
「細かいことは気にしない気にしない」
「ったく」
 委員長との話しは切り上げて、春名に直接聞いてみる。
「んー、で、その昨日電話してたってのは誰なんだ?」
「まったく、こーくんは女心がわかってないね」
「なんだよそれ。そしてこーくんって呼ぶな」
「きゃーこわいー」
「もういい加減黙ってろよ……」
「ひどいなぁ。それにはるにゃんだって言いたくないかもじゃないか。それを無理やり言わせるのは良くないと思うよ」
「じゃあどうしろってんだよ」
 若干語気が荒くなったのは、春名を心配してのことだからしょうがない。って自己弁護も見苦しいか。
「待つ!」
「……待つ?」
「うん。待つ。話してくれるまで待つ」
「でもそれじゃ、ほっとけないじゃんか」
「でも待ってあげるのが男の子でしょ。はるにゃん……誰からの電話だったか言いたくないの?」
 おずおずと、静かに口を閉じたまま、ゆっくり顔が上下に動いた。
「うん。じゃあ後は話してくれるまで待つしかないねっ」
「うーん、なんか納得できないんだが……」
「でも今問い詰めたらはるにゃん泣いちゃうかもよ?」
 確かに、今にも泣きそうな顔をしている春名を問い詰めるのは、最善策とは言えないか。
「しょうがないか。……じゃあ春名。言えるようになったら俺のところに来てくれ。いつでも話し聞いてやるぞ」
「ほらほら、はるにゃんおにーちゃんがかっこいいこと言ってるんだから、ここはちゃんと返事してあげなきゃ」
 その言葉に対して、顔をうつむけたままで、ボソッとこぼれた言葉は、確かに「ありがとう」と聞こえた。
 それだけ聞ければ十分か。
「よし。じゃぁ今日でも明日でも、いつでもいいから、辛くなったら言いに来いよ」
 うなづく春名。
「じゃあはるにゃん、今日は部活休んでもいいから、あたしがセンセーに言っておくよ。じゃーまたねー」
「それじゃ、また後ででも会おうな」
 最後までうつむいたままだったけど、俺が教室を出るときには手を振ってくれていた。
 まぁ、なんとかなるだろ。
 なんとかならなかったら、俺がなんとかすればいいし。
 春名の事を考えながら、来栖と一緒に教室に戻っていった。

   ■

「そういえば」
「どーしたの高坂」
 教室に戻る途中、忘れてたことを思い出した。
「委員長は会華がどこにいるか知ってる?」
「会華ちゃん? 今日普通に学校来てなかった?」
「いやそれが昼休みからあいつが見当たらないんだよ」
 んー、流石に委員長があいつの居場所知ってるっていうのは、無理があったか。
「まぁ知らないならいいや。ああ、そんなわけで、会華探してみるから先に教室戻っててくれないか? 俺が戻るの遅れたら、トイレ行ってますとでも言っておいてくれ」
「了解しました隊長。では女子トイレで隠れてなにか準備しているため遅れている模様です! とでも言っておくよ」
「やめてくれ……マジで」
「だいじょーぶだいじょーぶ。でも、会華ちゃんもういないかもよ?」
 んーそうだなー。もう帰ってるっていう可能性も無きにしもあらずなんだよな。
 でもアイツまじめに見せかけた馬鹿に見えて、実は真面目だったりするから、サボったりはしないと思うんだが。
「まぁそれならそれで別にいいさ。俺が授業サボることになるだけだ」
「今戻らないと愛が怒るよー」
 そういえば待たせてることを思い出した。まあいいか。
「リアルにトイレ行ってたってことにしといてくれ」
「りょーかい。女子トイレね」
「だーかーらー!」
「わかったわかったちゃんといっておくから」
「しっかり頼むぞ。じゃあまた後で」
「へーい」
 歩いて教室に戻る委員長に背をむけ、あいつがいそうな場所を探してみることにした。
 まずは保健室かな。

   ■

 いろいろ回ったが、結局会華は見つけることが出来なかった。
 正直、帰ったって言うのが一番考えやすいけど、それでも今すぐ話したかった。電話でもいいと思ったが、予想通り電話は電源を切ってるらしく返答なし。メールも同じ運命だろう。
 今すぐ話したいというのは、もちろん春名のことについて。
 いろいろあって忘れていたが、先輩が呼んでるって言ったことについても聞かなくてはいけない。春名にはあそこで納得したようにいったが、それでもまだ気になっていることに変わりはない。精神的なものだったらいつもとに戻るかわからないし、それにしたって、何もしないでいられるほど楽観的な人間ではない。
 どちらにしろ、会華を見つけないといけないのに、どこにもいない。
 まぁ探す範囲が狭すぎると言われたらそれだけだが。俺がサボるときにはもっぱら生徒会室か茶道部室(高確率で綾香先輩がいるのであまり行きたくはない)を使っていたので、ほかの生徒が行くようなところは保健室と屋上ぐらいしか思い浮かばなかった。
 それでも階段とトイレ(もちろん男子トイレ)は一通り見たので、これで見つからないとするとやはり帰ってる可能性が高い。
「うーん」
 どうしようもなくなって、ふと、時計を見てみた。
 すでに授業開始から20分が経過している。そろそろトイレの言い訳が通じなくなってきたころあいだ。もうこれはばっくれるしかないな。
 どうせ今日は茶道部に行くことになるので、生徒会室をあきらめ茶道部に行くことにした。
 先輩がいたらいたで、「部活が早く始まったんで早く終わらせていいですよね?」とか何とか言えばいいだろう。どうせ聞いてくれないだろうが、言い訳は多いほうがいい。うん。われながら良くわからない理論だ。
 ま、どうでもいいか。
 適当に考えて、茶道部室に向かって行った。

   ■

 ドアを開けると、先輩が裸で寝ていた。
「裸はねぇだろ……」
 ひとりごちた後、靴を脱いで座敷に上がる。とてつもなく目に毒なので、そこらへんに置いてあった布団をかけてやる。布団は俺が以前先輩に頼まれて家から持ってきたものだ。
 目に毒と言うか心に毒と言うか、むしろオアシス?
 ここで襲わないのが俺が紳士たるゆえんだな、と一人でかわいそうなことを考えてみる。案の定軽く鬱になった。まぁどうせ襲う勇気もない臆病者ですが。
 先輩の横に座る。
 まったくこの人は、なんで学校でこうも無防備になって寝れるんだか。誰が入ってくるかわからないのに。
 …………ああ、この部屋には鍵がかかってるから、入ってこれるのは実質俺だけなのか。俺が入ってきたとしても何かされることはないと思ってるんだろうか。実際そのとおりなので何か言えるわけでもないが、それにしても、なんで裸で寝てるんだよ。
 それとも、俺なら寝込みを襲われてもいいとか思ってるのだろうか。いや、こういうときの前向きな発想はいい結果を残したためしがないのでやめておこうか。
 しかし、残暑が残ってて、この部屋に冷房がないとしても、全部服を脱いで寝るっていう発想はなかなか思いつかないって。そこが先輩らしいって言ったら先輩らしいんだけど。少しは俺の精神衛生についても考えてくれるととてもうれしかったんだけどね。
 たたき起こす必要もなくて、授業が終わるまであと30分ほどもあって、ついでに裸の先輩にはちょっと寒いかもしれないが、俺が寝るには気温もちょうどいい。
 さっきの授業では取りきれなかった睡魔がだんだん襲ってきた。
「ふああぁぁぁぁああああ」
 大きなあくびをひとつして、もうこれは寝どきだなと確信し、布団をもう1枚持ってきて眠りについた。
 ふたつほど大事なことを忘れていたことに気づいたのは、授業が終わり放課後になってから、少しばかり時間がたった頃のことだった。
 一つ目は、逢坂を放置していたこと。
 二つ目は、部室の鍵を閉め忘れていたことだ。
  1. 1990/01/04(木) 02:10:00|
  2. 創作小説
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